冷温熱源システムの最適計画と運用

建物用途により異なる空調負荷パターンに応じて、最適な熱源システムを構築します。中央熱源を採用している空調方式では、冷熱だけではなく温熱を含めたトータルでのシステムをいかに効率的に運用できるかが重要となります。

特長

  • 負荷形態に対して最適な機器種別や熱源容量・台数構成の検討
  • 機器の部分負荷特性を加味した台数制御システムの構築
POINT

負荷に見合った機器容量と最適な台数制御運転により省エネ化を実現

冷温熱源システムを表した簡略図

冷温熱源システムの省エネの一例

  • 熱源機器の変流量制御(冷水・冷却水・温水)
  • 冷温水2次ポンプインバータ制御
  • 冷却塔ファンのインバータ化
  • 熱回収型冷凍機の採用
  • 季節に応じた冷水出口温度設定の変更
  • コイル・熱交換器の大温度差設計
  • モジュール型チラーの採用
POINT

運転状態や負荷特性を見極めたうえで省エネのための施策を導入

目的や用途に応じた適切な外気導入量コントロールと負荷処理

建築物への外気導入は、事務所をはじめとする居室内のCO2 濃度を「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」で定められている管理基準値以内にするために欠かせないものです。最近では感染症対策としても外気導入(換気)の重要性が高まっています。また、特殊な用途としては、クリーンルームや手術室・病室などの室圧制御や装置排気量に見合う多量の外気を導入するケースもあります。この導入する外気量のコントロールとその負荷処理が省エネに重要な要素となります。

外気導入量の制御と有効利用

外気導入量制御による省エネ・空調負荷の低減

  • 室内CO2 濃度による外気量制御
  • 室圧による外気量制御
  • 外調機による外気処理(除湿)
  • 全熱交換器の採用
  • 空調立ち上げ時の外気取入停止
  • クリーンルームの一般熱排気の有効利用

外気利用による省エネ

  • 直接外気冷房
  • 間接外気冷房
    ・顕熱交換器
    ・フリークーリング
POINT

外気導入量の最適制御と有効利用、適切な温湿度制御による負荷低減で省エネ化

外気利用による省エネ(フリークーリング)

データセンターやクリーンルームなどの年間を通して冷房を行っている施設では、中間期から冬期の低い外気温度を利用して冷却塔により冷水を冷却することで、冷凍機の負荷を低減して省エネ化を図ることができます。

特長

  • 年間を通して冷水負荷がある場合、低外気温度時に冷却塔で冷水を製造することで冷凍機の負荷を低減
  • 既設の冷却塔を使用する方式の他に、フリークーリング専用の冷却塔を導入することでベース熱源機は空冷でも対応可能
POINT

低温外気を利用して冷却塔で冷水を製造することで、熱源電力を削減

低温外気を利用して冷却塔で冷水を製造することで、熱源電力の削減を可能にするシステムの図

エネルギーの可視化と有効活用

運用状態や問題点を抽出するためには「見える化」を有効利用することが重要になります。電力や温度・湿度・流量などの計測値を管理するだけではなく、エネルギー使用量を見える化し、そのデータが示す運用上のさまざまなムダを排除してさらなる省エネを行うことで、CO2排出量の削減と環境負荷の低減を実現することが可能となります。

エネルギーの可視化と有効活用を実現するPDCAサイクルを表現した図
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