営業

営業本部
第二営業統括部
マネージャー

A.M1988年入社

設備システム科出身。学生時代は空気・衛生設備システムを研究、現場監督になりたいと当社に入社し、工事現場を14年経て営業職となる。当プロジェクトでは営業を担当。

設計支援

空調設備事業本部
設計統括部
マネージャー

K.W1996年入社

機械工学科出身。研究していた空気調和設備機器の専門知識を活かしたいと当社に入社。今回のプロジェクトでは、設計支援として給排水衛生設備・空調換気設備の設計概算を担当。

現場代理人

空調設備事業本部
空調設備事業部
マネージャー

K.R1997年入社

機械工学科出身。大学では流体力学を専攻し、その知識を活かしたいと当社に入社。当プロジェクトでは、現場代理人として安全・品質・予算・工程の管理を担当。

現場代理人

空調設備事業本部
空調設備事業部
テクニカルマネージャー

Y.W2008年入社

設備学科出身。数学・物理を専攻した後に専門学校で建設設備について学ぶ。お客様と共に設備環境に取り組むスタイルに共感して入社。当プロジェクトではA棟の現場代理人を担当。

現場代理人補佐

空調設備事業本部
空調設備事業部

S.T2019年入社

電気電子工学科出身。ドローンの制御に関する研究をしていたが、空調機の制御を研究している友人に触発され、時代の先をゆく仕事がしたいと当社に入社。入社2年目に当プロジェクトに配属。

※2023年2月時点の所属部署・役職名です。

プロジェクトの背景

東京・大森地区において約80年にわたり地域医療の中核を担ってきた牧田総合病院。建物の老朽化や点在していた病棟を集約するため、2020年12月に現病院を環状八号線沿いの蒲田地区に完全移転した。新病院は、建築面積3,854㎡・延床面積22,730㎡となり、5階建てのA棟は主に外来診療、10階建てのB棟は一般病棟(病室290床)に加え、人間ドック検診センターや救急センターも担っている。当社は当案件の施工パートナーとして選ばれ、空調・衛生工事を請け負った。

写真 牧田総合病院

お客様に評価された精度の高い概算見積り

———低コストでありながら、高品質な衛生環境を提供するためにはどうしたらいいか?営業のA.Mは、設計部のK.Wと連携して基本プランとなる概算見積りの算出に取り組んだ。2018年のことである。

A.M

基本プランの概算見積りはかなり重要なものとなります。今回のプロジェクトでは、医療施設の経験が豊富な設計のK.Wさんに実施設計支援として加わっていただき、お客様が想定している金額になるべく近づけつつ、品質の高い衛生環境を実現するためのプランの検討や予算を算出していただきました。

———実施設計支援という形で、営業のA.Mと設計のK.Wは設計定例会議に出席。いくつかのプランを提示しながら協働して施工図面を詰めていった。そして、概算見積りの精度が高い点を評価され、同年12月に正式契約となり2019年1月より着工となった。しかし、工事が始まってからも営業の業務は終わらない。

A.M

実施設計段階になると、実際にご利用される皆様のご意見をいただくことになり、「この機能を追加してほしい」といったご要望も増えていきます。それによって発生する追加コスト分を調整するため、必要となる機能を損なわずにコスト削減につながるプランを再度ご提案していくのです。

———工事が進む中でもなお、営業のA.Mと設計のK.Wは引き続き最適なプランを模索し、提案していった。

与えられたリソースの中で最大限の能力を発揮する

———正式契約前から実施設計支援として参加し、給排水衛生設備や空調換気設備の設計概算を担当した設計部のK.Wが心掛けたのは、コストと機能とのバランスだったという。

K.W

お客様に概算見積りを評価してもらい、その予算の中で収めるのが私たちの仕事ですので、できる限り予算内に収めるプランを提案しなければなりません。しかし、安易にコストを下げてばかりだと機能面で後々に影響が出てしまうこともあります。そのため、予算と機能のバランスを取りながら、与えられたコストの中で最大限に能力を発揮できる設計を追求しました。

———一方で、計画用地は郊外ではなく東京23区内ということもあり、敷地にゆとりがない中での設計となる。そのため、建物内に設備をどのように納めるかがポイントとなった。

K.W

病院には病気やケガをされている方が訪れるため、建物に対して衛生設備は多岐にわたるので、どのように納めるかは苦心しました。また、それに付随した工事も必要ですし、作業人員も限られています。そこで、当案件に関わるすべての人たちの間でコミュニケーションを活発に行い、ゴールを明確にしたことで一つずつ乗り越えていったのです。

———人材、技術、予算など限られたリソースの中でお客様や利用者の満足につながる品質の高いものを提供するために、関係する全員が一丸となって最適解を見出そうと知恵を振り絞った。

新型コロナウイルスによる現場の負担

———290床もの病床が計画されているB棟は、各個室に洗面所やトイレなどが備わっているため、空調・衛生設備工事も緻密さを要求される。B棟の現場代理人として安全・品質・予算・工程の管理を行っていたK.Rは、設計プランが変更されるとわかるとすぐに現場で対応にあたった。

K.R

ある程度工事が進んだ段階で設計プランが変更になると、納め方だけではなくレイアウトそのものを見直す必要もあります。さらに、当案件では新型コロナウイルスの影響によって、急きょコロナ病棟を設置しなければなりませんでした。その都度、設計のK.Wさんに協力していただき、速やかに変更内容をまとめて現場で対応していきました。

———この頃、現場は繁忙期を迎え、10人いた社員は全員が働き詰めとなっていた。また、新型コロナウイルスによって手洗いやアルコール消毒を徹底するなど現場でのルールも増えていった。

K.R

残業が増えると安全管理に支障を及ぼしかねません。そのため、社内から人員を派遣してもらい、現場では2人1組をペアとする担当業務制を敷くことで働き方を調整していったのです。

———厳しい工程の中でも、協力会社や関連業者の作業員の方々が災害にあわないように、K.Rは、創意工夫を凝らしながら現場代理人として全体をマネジメントしていった。

粘り強く、そしてスピーディに実践すること

———内科や外科などの外来診療が入る低層階のA棟。その現場代理人を務めたのが技術部のY.Wだ。

Y.W

A棟は高さ制限があることから天井部分の空間が少なくなっています。そのため、間仕切りや躯体に変更が生じると、天井の中にダクトや配管をどのように納めたらよいか、再度、施工図面を調整しなければなりません。工期がタイトになっていたこともあり、タイムリーに情報共有できるよう、変更が出た箇所があればすぐに社内の共有サーバーにアップしてもらうよう社内調整を行いました。

———また、仕様の変更によって設備機器の搬入日時もあらためて練り直さなければならない。Y.Wは、納期が遅れないよう何度も施工図面を書きかえ、機器の承認や発注変更に取り組んだ。

Y.W

これまでは現場代理人として一人で段取りや施工調整を進めることができましたが、今回のプロジェクトは規模がとても大きく、決して一人では調整できないため、視点を広く捉えながらいかに人員を配置して作業を分担するかがポイントとなりました。

———粘り強く、そして、スピーディに一つずつ調整していく。その地道な作業が現場では続いていた。

施工管理者として芽生えた責任と自覚

———入社2年目のS.Tが当プロジェクトの現場を初めて訪れたのは、入社1年目の研修期間中に実施された現場実習3回目のことだった。

S.T

当案件は、明らかに1・2回目で訪れた現場実習先よりも規模が大きく、作業員数も比べものになりませんでした。そのまま配属となって現場に携わったのですが、どこに何があるのかなど、現場の状況がまるで分からない状態からのスタートでした。その都度、自分で調べながら現場の状況や作業手順、資材の数量を把握していき、それでも解消できない不明点は先輩社員や協力会社の作業員の方々に質問するようにして不明点を無くすよう努めていきました。

———徐々に現場に慣れてくると、S.Tは朝礼や昼礼において作業員の方々に向けた安全管理に関する注意喚起を促す役割を任された。

S.T

作業員の方々がケガをすることは絶対に避けなければなりません。そのため、現場を巡視する際は、通路になる場所が塞がっていないか、他の作業とかぶっていないかなど注意深く観察するようにしました。コミュニケーションを円滑に取ることも重要になってきますので、朝礼や作業員の方々と話す時は明るく元気に、相手が相談しやすい雰囲気となるように心掛けました。

———入社2年目にして多くの作業員の方々をまとめる立場を経験したことで、S.Tは管理者としての大きな責任と自覚を身につけていった。

地域住民の安心につながるプロジェクト

———工事は2020年11月に終え、12月についに竣工を迎えた。病院施設の新築工事という案件の大きさや、コロナ禍においても無事に完工できたことなどが評価され、当案件に携わったメンバーは社内で表彰された。今回のプロジェクトについて営業のA.Mはこう振り返った。

A.M

2013年からお客様の別案件に携わった経験もあり、お客様の考えを理解することができたことや医療施設の特徴を把握していたことが強みとなりました。もう一つが、社内のJK会議(事前検討・事後検証システム)の存在です。営業・受注・設計・購買・施工・竣工までの一連のプロセスを社内一体となって進めた結果といえます。

———設計のK.Wもまた、社内の一体感が重要なポイントとなったという。

K.W

営業、設計、施工が一体となって粘り強くプロジェクトに取り組んだことや、過去の成功事例・失敗事例を共有しながら一つずつ問題を解決したことで、お客様にご満足いただける品質に向上させることができました。

———病院は多くの人々が生きるうえで不可欠であり、空調や衛生環境はとても重要な設備だ。より良い環境を提供することで社会に貢献する。当案件は、富士古河E&Cの理念を具現化したプロジェクトだったともいえる。

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