現場代理人

電気設備事業本部
電設事業部
テクニカルマネージャー

K.K2013年入社

機械工学科出身。前職にて電気設備業務に携わり、2013年に同業種となる富士古河E&Cに転職。当プロジェクトでは全体を統括する現場代理人を担当。

現場代理人補佐

電気設備事業本部
電設事業部

K.A2017年入社

生産電気システム科出身。大学では電気・電子回路や環境に考慮した省エネシステムを研究。大勢の人々と協力してものづくりをする施工管理の仕事に憧れて当社に入社。当プロジェクトではB棟の現場代理人補佐を担当。

現場代理人補佐

工事技術本部
施工支援統括部

J.Y2018年入社

建築科出身。前職の設計事務所において意匠設計に携わっていたが、現場を経験することで建築の理解を深めたいと当社に転職。当プロジェクトではA棟の現場代理人補佐を担当。

※2023年2月時点の所属部署・役職名です。

プロジェクトの背景

埼玉県岩槻駅。東口の駅前広場に面した用地に、大規模な複合施設「ソライエアイル岩槻」が2021年に誕生した。地上4階建ての低層棟は、サービス付き高齢者向け住宅やデイサービスセンターとなっており、屋上にはドッグランや駐車場が備えられている。地下1階〜地上11階建ての高層棟はペット共生型の賃貸住宅となり、クリニックや調剤薬局、コンビニエンスストアがテナントとして入居するなど、時代のニーズや多様なライフステージに応える複合施設だ。当社は、施設全体の電気設備工事一式を請け負った。

電気設備の最適な位置はどこか?

———2020年2月、現場代理人を務めるK.Kは初めて現場を訪れた。地ならしをしている用地と施工図面を見比べながら、K.Kはすぐにある問題に気づいた。

K.K

屋上に設置する変圧機や発電機などの機器はそれぞれ数トンの重量があります。当初計画していた位置に設置するとなると、クレーンの旋回半径など作業スペースの問題で機器を揚重できないため、いったん機器を解体して屋上で再度組み立てなければなりません。しかし、その分、コストや時間がかかり、ほかの工事にも多大な影響を及ぼしかねないのです。

———機器を解体すると、組み立て作業のみならず消防法で定められた検査が再度発生するため、工期がますます延びてしまう。どの位置に設置すれば機器の解体を回避できるか。K.Kは、設計や建築の担当者と意見を交わしながら設置場所を探った。

K.K

電気設備はかなりの重量があります。設置場所を変更することによって建物が構造的に持つのかどうか、どのようにすれば持たせられるのか、建築の設計側と協議を重ね、費用対効果を算出した提案資料をまとめ、お客様に検討していただいたのです。

———その結果、機器の解体を免れる位置に変更することになった。幸いにも建物工事の着工前だったため、全体工程に大きな影響を及ぼすことは避けられた。

現場をとりまとめる力と作業をスムーズに進める力

———着々と進む建物の工事。第一技術部に所属するK.Aは、低層棟の現場代理人補佐として工事に必要な安全書類や施工図面の作成、現場巡視による施工状況と安全の確認、照明やケーブルなどの必要資材の発注を務めた。

K.A

これほどの規模の工事になると、当然、空調設備や内装業者など協力会社の作業員数も増えますし、同じ場所で作業しなければなりません。特に電気工事は他業者との関わりが多いため、作業場所でどのように作業を進めていくか、どのタイミングで作業するかなど逐一調整する必要があります。

———K.Aは、他業者との調整会議に毎日参加して作業の進捗を確認。工程が遅れないよう他業者や協力会社とコミュニケーションを取りながら人員配置などの調整を続けていった。それに併せて施工図面の作成にも積極的に取り組んだ。

K.A

技術部員としてまずは現場を覚えることに重点を置いていたので、これまで施工図面を作成する機会があまりなかったのですが、今回の案件では、施工図面や資料を作成する機会に恵まれました。CADを使えば施工図面を書くことはできますが、作業員の方々がスムーズに作業できる図面にするにはどうしたらいいか、悩みながら模索していきました。

———不明点のない施工図面を書くためには、電気や施工に関するさらなる技術や知識が必要になる。K.Aは、自らの技術・知識不足を痛感しながらも技術者として一歩ずつ成長していった。

現場が欲している施工図面とは何か

———大規模案件になると技術部の人員だけでは不足することもあり、その際には設計支援部から応援要員が派遣される。この案件ではJ.Yが任命され、高層棟の現場代理人補佐として電気施工図面の作成と施工管理を担当することになった。

J.Y

設計支援チームの役割としては現場担当者と分担して本社で施工図面を作成するのですが、私は現場経験がほとんどなかったため、現場実習という意味合いも込めて参加させていただきました。しかし、配属当初は現場で何をすればいいのかまるで分かりません。知らない材料や建築用語も飛び交い、言葉を理解するのにも時間がかかっていました。

———さらに、自らが作成した施工図面について、作業員の方々に質問されて答えられないことも多々あったという。

J.Y

分からないことがあれば曖昧にせず、自分で調べたり、上司に確認することで無駄な手戻りがないように注意しました。また、作業している様子を間近で見ながら、どんな工具や材料を使って何をしているのか作業員の方々に質問しながら少しずつ知識を身につけていきました。

———実際の作業を見ることで、現場に必要な施工図面とは何か、どのような情報が記載されていると作業がしやすいか、本社に居るだけでは得ることのできない貴重な経験を現場で積み重ねていった。

若手技術者の成長につながったプロジェクト

———そして2021年6月、今回のプロジェクトはいよいよ終わりを迎えた。

K.A

受電されて照明が点いた時は達成感がありました。それまでさまざまな問題が発生し、困難なこともたくさんありましたが、すべてが報われたような感じです。社内や協力会社の皆さんに全面的に協力してもらい竣工まで持っていくことができました。

J.Y

自分が作成した施工図面をもとに現場ででき上がっていく様子を見られたことは貴重な経験でした。また、多くの人、多くの職種の方が集まって完成するのだとあらためて実感しています。経験のない私を優しく指導してくれたK.Kさん、辛い時も肩を組みながら一緒に頑張ってくれたK.Aさんと作業員の方々。現場は本当に楽しいです。

K.K

問題が一つもない現場はありません。大小さまざまな問題について一つずつ確実な答えを出しながらクリアしないと前に進まないのです。中には、私でも判断が難しい問題もありますが、当社は電気だけではなく空調設備やプラントなど幅広い分野を扱っていますので専門知識を有する社員が数多くいます。社内関係部門との密な連携が取れたことが強みとなりましたし、現場に常駐していたK.AさんとJ.Yさんの努力によって成し得たプロジェクトではないでしょうか。

———こうして当案件は無事故で完工し、納期を厳守しながら高品質な電気設備を提供することができた。そして何よりも、二人の若手技術者の大きな成長につながったプロジェクトとなったのだ。

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