エグゼクティブ・サマリー

当連結会計年度における我が国経済は、急激な円安の進行や物価上昇、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の下振れ懸念があったものの、各種制限は行われず、経済社会活動の正常化が 進んだことなどから、緩やかに持ち直しました。海外においては、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料及び資源価格高騰の影響による世界的なインフレの継続や政策的な金利上昇などにより、経済は減速傾向にあり、先行きは不透明な状況となっております。

当社グループの属する設備工事業界におきましては、資機材価格の高騰及び納期の長期化が続く中、データセンター・半導体分野などにおける設備投資は引き続き堅調に推移しました。また、当社が事業展開している東南アジアにおいても、新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限が緩和されたことに伴い、観光関連産業を中心に回復傾向が続きました。

このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めるとともに、ESG経営を軸としたマテリアリティ(重要課題)の実現、脱炭素化に向けた設備投資の取り込みや好調な分野へのリソースの傾注などによる物量の確保、集中購買や計画発注等によるコストダウン、海外事業の各拠点の状況に応じた事業構造の改革、生産性向上に向けた業務改善の徹底による働き方改革の推進、IT関連や研究開発等への積極的な投資等を重点課題として、事業環境の変化に柔軟に対応しながら引き続き競争力の強化に向けて取り組んでまいりました。

当連結会計年度の業績につきましては、受注高960億円(前期比10.6%増)、売上高881億円(前期比7.4%増)となり、過去最高を更新しました。利益面では、売上高の増加ならびに原価低減および経費削減等により、営業利益69億26百万円(前期比5.1%増)、経常利益70億14百万円(前期比4.6%増)と過去最高益を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期にあった株式売却益の影響などにより45億36百万円(前期比1.6%減)となりました。

経営成績の推移

受注高

(百万円)

受注高の推移を表した棒グラフ
年度 1Q 2Q 3Q 通期
2023 26,852 62,638 81,547
2022 22,972 55,373 76,029 96,095

売上高

(百万円)

売上高の推移を表した棒グラフ
年度 1Q 2Q 3Q 通期
2023 19,554 44,491 70,267
2022 15,539 36,868 58,066 88,109

営業利益

(百万円)

営業利益の推移を表した棒グラフ
年度 1Q 2Q 3Q 通期
2023 444 1,763 3,417
2022 297 1,542 2,338 6,926

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

当期純利益の推移を表した棒グラフ
年度 1Q 2Q 3Q 通期
2023 351 1,152 2,292
2022 176 961 1,399 4,536